『不等辺五角形』を読み終えた後、複雑な人間関係ややるせない結末の真相について、もっと深く知りたくなったのではないでしょうか。
この記事では、信じていた友人に裏切られるという、救いのない物語の核心を徹底的に解説します。
犯人の正体と復讐の動機はもちろん、読者を巧みに欺く叙述トリックの仕掛けや、散りばめられた伏線回収まで詳しく解説しています。
登場人物たちの歪んだ関係性が招いた悲劇の全貌を、この記事で明らかにしましょう。
- 物語の犯人とその後味の悪い結末
- 犯行に至った動機と巧妙な叙述トリック
- 作中に散りばめられた伏線とその回収
『不等辺五角形』の結末と犯人の真相をネタバレ
物語の真相を追い求める中で、最も衝撃的なのは犯人が主人公たちの友人グループ内にいるという事実です。
一見、固い友情で結ばれているように見えた彼らの関係性が、実は事件の根源でした。
| 登場人物 | 役割 |
|---|---|
| 水谷 | 事件の主犯 |
| 望月 | 水谷の協力者 |
この物語は、信じていた仲間に裏切られるという絶望と、誰も救われない悲劇的な結末が描かれます。
読了後に残る、言いようのないやるせなさの正体を解き明かしていきましょう。
犯人は友人グループの水谷と協力者の望月
この物語の犯人は、友人グループの一員である水谷であり、望月がその協力者でした。
物語は亮介、雪絵、英治、水谷、望月という5人の大学生グループを中心に展開されます。
彼らの夏休みの旅行先で起こる失踪事件が、すべての悲劇の始まりとなります。
水谷は巧みに友人たちを欺き、自らの復讐計画を実行に移しました。
水谷の犯行動機は、過去に雪絵が亮介と英治から受けた仕打ちに対する復讐心です。
その歪んだ正義感が、最悪の結末へと物語を導きます。
誰も救われることのない後味の悪いラスト
この物語のラストは、ミステリー小説の中でも特に後味が悪いことで知られています。
なぜなら、主要登場人物のほとんどが死亡または破滅するからです。
物語の終盤で、亮介と英治は水谷によって殺害され、犯人である水谷自身も計画の最後に自らの命を絶ちます。
結局、友人グループ5人の中で生き残ったのは雪絵ただ一人でした。
しかし、彼女もまた恋人と友人のすべてを失い、深い心の傷を負うという救いのない結末を迎えます。
この全員が不幸になる展開こそが、『不等辺五角形』が多くの読者に強烈な印象を残す理由なのです。
歪んだ人間関係が招いた悲劇的な結末
この事件の根本的な原因は、登場人物たちのいびつな人間関係にあります。
特に、人気者の亮介、その恋人の雪絵、そして雪絵に思いを寄せる英治という歪な三角関係が物語の核を形成しています。
表面上は仲の良い友人同士でありながら、水面下では嫉妬や劣等感、独占欲といった負の感情が渦巻いていました。
亮介への劣等感を抱える望月や、雪絵に秘めた想いを寄せる水谷の感情が、この三角関係に複雑に絡み合います。
それぞれの登場人物が抱く少しずつの感情のすれ違いが、最終的に取り返しのつかない悲劇を生み出してしまいました。
登場人物たちの心の闇が、友情という脆いバランスを崩壊させたのです。
物語のあらすじと複雑な登場人物の相関図
『不等辺五角形』を深く理解するためには、物語のあらすじと登場人物の複雑な関係性を把握することが欠かせません。
特に、一見すると仲が良さそうに見える友人グループの内情が、この悲劇のすべての鍵を握っています。
| 人物名 | 立場 | 藤崎亮介への感情 |
|---|---|---|
| 藤崎亮介 | 被害者 | 友人グループの中心人物 |
| 野上靖代 | 亮介の恋人 | 愛情と依存 |
| 水谷 | 亮介の友人・犯人 | 嫉妬と劣等感 |
| 飯田 | 亮介の友人 | 友情と無関心 |
| 望月 | 靖代の元恋人・協力者 | 憎悪 |
この表からもわかるように、彼らの関係は決して良好なものではなく、水面下では負の感情が渦巻いていました。
このいびつな人間関係が、後に起こる事件の引き金となります。
主要登場人物5人のプロフィール
物語を動かす中心人物である5人のプロフィールを紹介します。
5人それぞれが抱える秘密やコンプレックスが、物語に深みを与え、読者を惹きつけます。
| 人物名 | プロフィール |
|---|---|
| 藤崎亮介 | 容姿端麗で人望も厚い青年、物語の冒頭で失踪 |
| 野上靖代 | 亮介の恋人、精神的に不安定な一面を持つ女性 |
| 水谷 | 亮介の友人、彼に対して強い劣等感を抱いている |
| 飯田 | 亮介の友人、グループの中では比較的常識人 |
| 望月 | 靖代の元恋人、亮介に靖代を奪われたことで恨みを持つ |
それぞれの登場人物が持つ個性と背景が、物語の展開に深く関わっています。
一目でわかる登場人物たちのいびつな関係
この物語の登場人物たちの関係性は、タイトルの『不等辺五角形』が示す通り、非常に歪んでいます。
5人の関係性を整理すると、誰が誰にどのような感情を向けていたのかがはっきりと見えてきます。
友情、愛情、嫉妬、憎悪といった感情が複雑に絡み合い、いびつな相関図を形成しているのです。
| 関係 | 感情 |
|---|---|
| 水谷 → 亮介 | 強い劣等感と嫉妬 |
| 望月 → 亮介 | 恋人を奪われたことによる憎悪 |
| 亮介 → 靖代 | 支配的な愛情 |
| 靖代 → 亮介 | 愛情と精神的な依存 |
| 飯田 → グループ | 一歩引いた傍観者的立場 |
この歪な関係こそが、犯人である水谷と望月が凶行に及ぶ動機へと繋がっていきます。
事件の始まりから結末までの流れ
ここからは、物語のあらすじを事件の発生から結末まで、時系列に沿って解説します。
物語は、友人グループの中心人物である藤崎亮介が突然失踪するところから始まります。
残された者たちが彼の行方を捜す中で、次々と不穏な事実が明らかになっていくのです。
| ステップ | 出来事 |
|---|---|
| 発端 | 藤崎亮介が恋人の靖代との旅行中に失踪 |
| 捜索 | 靖代と友人である飯田、水谷が亮介の行方を捜す |
| 発見 | 亮介が遺体で発見される |
| 捜査 | 警察の捜査が始まり、登場人物たちの隠された関係が露呈 |
| 真相 | 犯人が水谷であり、望月が協力者であったことが判明 |
| 結末 | 真相が明らかになるも、誰も救われることのない後味の悪いラスト |
平穏だった日常が少しずつ崩壊していく過程が丁寧に描かれており、読者は登場人物たちとともに混乱と不安を味わうことになります。
犯人の動機と読者を欺く巧妙な叙述トリック
この小説の面白さの核となるのが、犯人の動機と、読者を巧みに操る叙述トリックです。
特に物語の視点が巧みに切り替わることで、読者は真相から遠ざけられます。
これらの要素が絡み合うことで、ただの犯人当てミステリーに留まらない、人間の心理の深淵を覗き込むような重厚な物語が生まれています。
過去の出来事への復讐という犯行動機
物語の根幹にある犯行動機は、大学時代のある出来事に対する水谷の歪んだ復讐心です。
水谷は、恋人であった由希子が自殺したのは、亮介をはじめとする友人グループのせいだと信じ込んでいました。
特に亮介の裏切りが、10年以上の時を経て復讐計画を実行させる引き金となります。
水谷の動機は、単純な憎しみだけではありません。
由希子への愛情と彼女を失った喪失感が複雑に絡み合い、友人たちを破滅へと導く計画を立てさせました。
この復讐劇は、過去の過ちが現在にどれだけ大きな影響を及ぼすかを描き出しています。
このように、犯人の動機は単なる悪意ではなく、愛と憎しみが入り混じった複雑な感情から生まれているのです。
読者をミスリードさせる叙述トリックの仕掛け
叙述トリックとは、文章の構造や語り口を利用して、読者に意図的に事実を誤認させるミステリーの手法を指します。
『不等辺五角形』では、主に2つの視点(亮介の視点と、犯人側の視点)を交互に見せることで、読者は時間軸や語り手を混同するように仕向けられます。
| トリックの種類 | 内容 | 読者が受ける印象 |
|---|---|---|
| 時間軸の誤認 | 現在の失踪事件と過去の回想が区別しにくく描かれる | すべてが現在の出来事だと錯覚する |
| 語り手の隠蔽 | 犯人側の視点が誰であるかを明示しない | 無関係な第三者の視点だと誤解する |
| 心理描写の操作 | 特定の登場人物の感情や思考を意図的に省略する | 登場人物の本当の関係性を見誤る |
読者は亮介の視点で物語を追いながら、時折挟まれる犯人らしき人物の独白を読み進めます。
しかし、この独白の主語が巧みにぼかされているため、犯人が誰なのか、そしていつの時点の話なのかが分かりにくくなっています。
この巧みな構成により、読者は最後の最後まで真相に気づかず、結末で明かされる事実に大きな衝撃を受けることになります。
物語に散りばめられた伏線とその回収
この物語のどんでん返しを支えているのが、序盤から巧妙に散りばめられた伏線です。
一見すると何気ない会話や描写が、実は物語の核心に迫る重要なヒントになっています。
例えば、登場人物たちが大学時代を回想するシーンでの些細な食い違いは、後の展開を暗示する重要な伏線です。
| 伏線の内容 | 回収される真相 |
|---|---|
| 由希子の死に関するメンバーの曖昧な記憶 | 各々が罪悪感を抱え、事件の真相を歪めて記憶している |
| 水谷の亮介に対する過剰な友情表現 | 復讐計画を悟られないための偽りの態度 |
| 望月が持つグループへの複雑な感情 | 友人を裏切ってでも水谷に協力する動機 |
他にも、亮介の婚約者である佳織の不安な心情描写や、友人たちの会話に時折現れる違和感など、読み返してみると気づかされる箇所が数多く存在します。
これらの伏線は、物語の終盤で一気に回収され、読者に驚きと納得感を与えてくれます。
すべてのピースが繋がったとき、この物語がいかに緻密に計算されて書かれているかを実感できるでしょう。
読者の評価と貫井徳郎のおすすめ作品
『不等辺五角形』は、その衝撃的な結末から読者によって評価が大きく分かれるミステリー小説です。
特に、物語全体を覆う重苦しい雰囲気と後味の悪さが、感想を二分する大きな要因となっています。
しかし、このやるせない読後感こそが貫井徳郎作品の魅力だと感じるファンも少なくありません。
『不等辺五角形』の読後感が心に残った方に向けて、同じく読み応えのある貫井作品を下の表にまとめました。
| 作品名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 『失踪症候群』 | ハードボイルドな展開と社会派ミステリー | 警察小説や重厚な物語が好きな人 |
| 『乱反射』 | 平凡な日常に潜む悪意と悲劇の連鎖 | 人間の心理を深く描いた作品を読みたい人 |
| 『慟哭』 | 衝撃的なラストで知られる代表作 | どんでん返しミステリーの傑作を味わいたい人 |
読者の心をかき乱すような物語は、それだけ強い印象を残す力を持っています。
あなたの感想がどちらであっても、この作品が忘れがたい一冊になることは間違いありません。
「ひどい」「つまらない」という感想と評価
この作品を読み終えた方の中には、「ひどい」「つまらない」といった否定的な感想を持つ方もいます。
その大きな理由は、物語の誰も救われることのない結末にあります。
読書メーターなどのレビューサイトを覗くと、登場人物たちの身勝手な行動や、希望の見えないラストに対して、やるせない気持ちを抱くという評価が見受けられます。
- 登場人物に誰一人共感できない
- 真相が明かされてもスッキリしない
- 救いのない展開に気分が落ち込む
これらの感想は、物語が読者の感情を強く揺さぶる力を持っていることの裏返しとも言えます。
「面白い」と絶賛されるどんでん返し
一方で、多くのミステリーファンから「面白い」と絶賛されているのが、物語の根幹をなす巧妙な叙述トリックと衝撃のどんでん返しです。
物語の最終盤で全ての真相が明らかになったとき、それまで信じていた光景がガラリと反転する感覚は、この作品ならではの醍醐味です。
- まんまと騙された、見事なミスリード
- 全ての伏線が繋がった瞬間の衝撃
- この後味の悪さこそが貫井作品の魅力
読者を巧みに欺く構成と、伏線回収の鮮やかさが、『不等辺五角形』を傑作ミステリーたらしめているのです。
この後味悪さが好きな人向けの貫井作品
『不等辺五角形』の独特な読後感が心に残った方には、貫井徳郎さんの他の作品もおすすめです。
特に人間の心の闇や社会の不条理を描いた作品は、通じるものがあります。
代表作の一つである『失踪症候群』は、誘拐された妹を探す兄の視点から、警察組織の暗部にも切り込むハードボイルドな物語です。
また、『乱反射』は、一本の倒木が引き起こす悲劇の連鎖を描き、平凡な人々の心に潜む悪意を浮き彫りにします。
どちらの小説も、やるせない現実を突きつけてくる点で共通しています。
これらの作品も、人間の心理を深く掘り下げており、『不等辺五角形』と同じように心にずしりと響く読書体験をもたらします。
まとめ
この記事では『不等辺五角形』のネタバレとして、登場人物たちの歪んだ人間関係が招いた悲劇の全貌と、信じていた友人が犯人だったという救いのない結末について詳しく説明しました。
- 友人グループの水谷が犯人という真相と後味の悪いラスト
- 過去への復讐という動機と読者を欺く巧みな叙述トリック
- 登場人物たちのいびつな関係性が招いた悲劇の全貌
この記事で物語の謎がすべて解けたら、次は貫井徳郎さんの別の作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。